「新NISAでオルカンの積立にも慣れてきた。次のステップとして、個別株にも挑戦してみたい」
投資信託で資産形成の基盤ができてくると、こう考える方も多いのではないでしょうか。配当金がもらえる、自分で応援したい会社を選べる、経済ニュースに興味が湧く——個別株ならではの魅力は確かに存在します。
ただ、いきなり数十万円を1社に集中投資するのは、初心者にとってリスクが高すぎます。結論から言うと、SBI証券の単元未満株(S株)を使えば、1銘柄1万円程度から個別株デビューが可能です。
私自身、新NISAでの投資信託(オルカン)と並行して、勉強のために日本の個別株を6銘柄、1銘柄1万円程度で保有しています。少額で実際に買って、配当金や株価の動きを体感しながら学ぶスタイルです。
この記事では、
- 個別株は投資信託の次のステップとして検討すべき理由
- 個別株のメリット・デメリットを正直に
- SBI証券のS株で1株から買う方法
- 銘柄選びの8つのチェックポイント
- 6銘柄を少額保有する私のリアルな実例
- 個別株を始める前の3つの注意点
を、20〜30代の投資初心者の方向けに解説していきます。
個別株は「投資信託の次」に検討すべき
まず大前提として、本記事は投資信託で資産形成の基盤ができている人向けの内容です。投資未経験の方や、新NISAを始めたばかりの方には、個別株よりも先にやるべきことがあります。
私が考える、20〜30代会社員の投資の優先順位はこうです。
- 生活防衛資金(生活費の6ヶ月分)を確保する
- 新NISAでインデックスファンドの積立を始める
- 積立に慣れて、生活基盤も安定してきたら、少額で個別株を試す
この順番を守らずにいきなり個別株から始めると、
- 銘柄選びに時間を取られて、肝心の積立投資が進まない
- 1社に集中投資して、相場急落で大きな損失を出す
- 短期売買のクセがついて、長期投資の方針が崩れる
といったトラブルが起こりがちです。個別株はあくまで投資信託の次のステップとして位置づけましょう。
関連記事: 投資の前に「生活防衛資金」を120万円貯めた話 新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いと使い分け
個別株のメリット・デメリットを正直に
個別株は投資信託にはない魅力もありますが、その分デメリットも明確に存在します。両面を冷静に理解してから始めることが大切です。
個別株のメリット
- 配当金がもらえる——年2回(中間・期末)が基本。長期保有で安定した配当収入が期待できる
- 株主優待を受けられる銘柄もある——食事券、自社製品など(ただし100株保有が条件のことが多い)
- 自分が応援したい企業を選べる——好きな製品やサービスを提供する会社に投資できる
- 経済への興味が深まる——保有銘柄関連のニュースが自然と目に入るようになる
個別株のデメリット
- 1社の倒産・暴落リスク——どれだけ優良企業でも、業績悪化や不祥事で株価が大暴落する可能性がある
- 銘柄選びの勉強が必要——財務諸表、業績、業界動向などを理解する必要がある
- 時間と労力がかかる——投資信託のような「ほったらかし」が難しい
- 米国個別株は為替リスクも上乗せ——円高に振れるとリターンが目減りする
投資信託より明らかに難しい——これが個別株の率直な姿です。だからこそ、最初は少額で勉強しながら始めるのが鉄則です。
SBI証券の「単元未満株(S株)」で1株から買える
「個別株を始めたい」と思っても、ハードルになるのが最低投資金額です。
通常、日本株は100株単位でしか買えません。たとえば1株1,000円の銘柄を買うには最低10万円、1株3,000円の銘柄なら最低30万円が必要です。これでは「お試し」のつもりが、いきなり大きな金額になってしまいます。
そこで活用したいのが、SBI証券のS株——正式には単元未満株と呼ばれるサービスです。
S株の特徴
- 1株単位で購入できる——100株単位ではなく、1株から買える
- 買付手数料が無料——2023年9月から完全無料化
- 新NISAの成長投資枠でも利用可能——配当金が非課税になる
たとえば1株1,500円の銘柄なら、6株で約9,000円。「1万円以内で個別株デビュー」が現実的になります。
S株の注意点
便利なサービスですが、いくつか制約があります。
- 注文は成行のみ——指値注文(◯円で買いたい)はできない
- 約定タイミングは1日3回程度——リアルタイムで売買できない
- 株主優待は基本的にもらえない——100株保有が条件の銘柄が多い
- 議決権は持てない——株主総会には参加できない
これらの制約はありますが、初心者の「練習用」には最適なサービスです。私自身、現在保有している個別株はすべてS株で買い始めました。
銘柄選びの基本:8つのチェックポイント
個別株を選ぶときは、感覚や雰囲気ではなく企業の財務・業績データを見て判断するのが基本です。ここでは、初心者が最低限チェックしたい8つのポイントを紹介します。
これらは「ファンダメンタル分析」と呼ばれる手法で、長期で配当を出し続けられる優良企業を見つけるための基本指標です。
業績に関する指標(4つ)
①売上高 ビジネスの基本となる数字。右肩上がりに伸びていることが理想です。売上が落ち続けている会社は、長期投資には向きません。
②営業利益率 売上に対してどれだけ効率よく稼いでいるかを示す指標。目安は10%以上。価格競争ではなく、付加価値で勝負できている企業の証です。
③EPS(1株当たり純利益)が右肩上がり 1株あたりに会社がいくら稼いだかを示す、株価の根拠となる重要指標です。EPSが伸びている会社は、株価も長期で上昇しやすい傾向があります。
④営業キャッシュフロー 本業でどれだけ現金を稼いでいるかを示す数値。黒字、できれば右肩上がりが理想です。利益が出ていても営業CFがマイナスの会社は要注意です。
配当に関する指標(2つ)
⑤1株配当金 1株あたりの年間配当額。減配がなく、できれば増配傾向の会社が長期投資向きです。連続増配を続けている企業は特に評価されます。
⑥配当性向 純利益のうち何%を配当に回しているか。目安は30〜50%程度。高すぎる(80%超など)と、業績悪化時に減配リスクが高くなるので注意が必要です。
財務に関する指標(2つ)
⑦自己資本比率 総資産のうち、返済不要な資金(自己資本)の比率。40%以上が一つの目安。ただし業種により水準は異なり、銀行業などは低くて当然です。
⑧現金等の保有額 キャッシュリッチな企業は不況に強く、配当の継続性も高い傾向があります。右肩上がりで現金を積み上げている会社は安心感があります。
すべて完璧な銘柄は少ない
これら8項目を見ると「ハードルが高そう」と感じるかもしれませんが、すべてが完璧な銘柄を見つけるのは難しいのが現実です。重要なのは、
- 一つでも明らかに問題のある項目があれば避ける
- 全体のバランスを見て総合判断する
- 複数銘柄に分散して、個別の不調を補い合える状態にする
という考え方です。完璧主義ではなく、致命的な弱点がないかをチェックする視点で見ていきましょう。
【私の実例】6銘柄を1万円ずつ保有中
ここからは私自身の運用について正直に書きます。
私の個別株運用の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資戦略 | 高配当株投資 |
| 現在の保有銘柄数 | 6銘柄(すべて日本株) |
| 1銘柄あたりの投資額 | 約1万円程度 |
| 目標分散数 | 30銘柄以上 |
| 利用サービス | SBI証券の単元未満株(S株) |
| 利用枠 | 新NISA 成長投資枠 |
「勉強のための少額投資」という位置づけで、本格的な配当収入を得るのが目的ではありません。実際に買うことで、
- 配当金が口座に入金される感覚を体験する
- 決算発表で株価がどう動くかを観察する
- 自分が選んだ銘柄が市場でどう評価されるかを学ぶ
ことが目的です。
銘柄選びで意識していること
業種の分散を強く意識しています。同じ業種に偏ると、その業界が不況になったときに保有銘柄全体が下落するためです。製造業・商社・金融・通信など、業界がバラけるように選んでいます。
また、8つのチェックポイントを満たす銘柄から選ぶようにしています。短期の値動きではなく、長期で配当を出し続けられそうな企業かどうかが判断軸です。
米国個別株はやらない
個別株は日本株のみで、米国個別株には手を出さないと決めています。理由はシンプルで、米国市場への投資はオルカン(全世界株式)で十分カバーできているからです。
オルカンの構成銘柄を見れば、Apple・Microsoft・NVIDIA・AmazonなどのGAFAM級の優良企業がすでに含まれています。わざわざ個別株として追加で買う必要性を感じません。
焦らず、株価を見ながら買い足す
ポートフォリオを30銘柄以上に分散させるには、当然ながら時間がかかります。私の方針は、
- 一度にまとめて買おうとしない
- 株価が下がったタイミングで少しずつ買い足す
- 焦って高値掴みをしない
というシンプルなもの。個別株は短期で資産を増やす道具ではなく、長期で配当を育てるもの——という意識で続けています。
個別株を始める前の3つの注意点
最後に、個別株デビュー前に絶対に押さえておきたい注意点を3つお伝えします。
①生活防衛資金と投資信託の基盤ができてからにする
繰り返しますが、個別株は「投資信託の次のステップ」です。生活防衛資金もない、新NISAのつみたてもしていない状態でいきなり個別株から始めるのは、土台のない家を建てるようなもの。順番を守りましょう。
②1社に集中投資しない
「この会社は絶対大丈夫」と思える企業でも、倒産リスクはゼロではありません。過去には東芝・JAL・シャープなど、誰もが知る大企業が経営危機に陥ったケースもあります。
一つの目安として、1銘柄あたりポートフォリオ全体の5%以下に抑えるのが基本です。30銘柄以上に分散すれば、1銘柄が暴落してもダメージは限定的になります。
③新NISAの成長投資枠を使う
個別株を買うときは、必ず新NISAの成長投資枠を使いましょう。配当金や売却益が非課税になるため、課税口座で買うのと比べて手取りが約20%も変わってきます。S株も新NISAで利用可能です。
まとめ:1株1万円から始める個別株デビュー
本記事の内容をまとめます。
- 個別株は投資信託で土台を作った後の次のステップ
- メリット(配当・優待)もデメリット(倒産リスク・勉強の手間)もある
- SBI証券のS株なら1株1万円から買える
- 8つのチェックポイントで銘柄を選び、業種を分散
- 少なくとも30銘柄以上への分散を目指す
- 新NISAの成長投資枠で買えば配当金も非課税
私自身、まだ6銘柄しか保有していないので、本格的なポートフォリオには程遠い状態です。それでも、実際に少額で買ってみることで得られる学びは、本やYouTubeで勉強するだけでは得られないものでした。
「個別株は怖い」「何を買えばいいかわからない」という方こそ、1株1万円という小さな金額から始めてみるのがおすすめです。失っても痛くない金額で、まずは個別株の世界を体感してみましょう。
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※本記事は筆者の実体験と公開情報に基づく情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品を推奨するものではありません。個別株投資には元本割れのリスクがあります。投資の判断はご自身のリスク許容度を踏まえて行ってください。